ワークショップ「第4回東大生がつくるSDGsの授業」(2023年9月3日)開催報告

先日開催しました下記のワークショップに関して、当日の模様を簡略ながらご報告します。

チラシPDF

日時:2023年9月3日(日)14時~17時
場所:オンライン
参加者数:6名

1.概要

東京大学総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構アクティブラーニング部門では、2023年度Sセメスターに全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「SDGsを学べる授業をつくろう」を開講しました。本イベントは、その授業の中で特に優れた授業案を設計した学生が、高校生を対象とした授業を実施するものです。2020年度より毎年開催しており、4回目の開催となりました。オンライン(Zoom)での開催でしたが、講師の学生は可能な限り双方向性を保てるような授業案を設計してイベントに臨みました。

2.プログラム

14:00~14:30
趣旨説明:中村長史(東京大学大学院総合文化研究科 特任講師)
14:30~15:20
授業「SDGs in Japan~企業にできることはなんだろう~」:平野沙也加(東京大学教養学部2年)
15:20~15:40
休憩
15:40~16:30
授業「SDGsマスターへの道~”達成”に向けてできることを考えてみよう~」:大石菜月(東京大学教養学部1年)
16:30~17:00
まとめ:中澤明子(東京大学大学院総合文化研究科 特任准教授)

3.授業の内容

「SDGs in Japan〜企業にできることはなんだろう〜」は、SDGs達成に向けた企業の取り組みについて考えることを中心に据えた授業でした。まず、参加者はクイズや概説を通じて日本のSDGs達成状況を確認した後、具体例を交えながら日本企業の取り組みやSDGsウォッシュ問題について学びました。続いて、自身が企業の一社員となったことを想定し、「製造業」と「小売業」の2グループに分かれて、SDGsの目標12〜15にアプローチできる取り組みを考えるグループワークを行いました。

「SDGsマスターへの道〜“達成”に向けてできることを考えてみよう〜」は、SDGsの“達成”をひとつの側面として取り上げた授業でした。授業内では、①SDGs“達成”について自分の言葉で説明できる、②“達成”に向けて自分たちにできることを考える、という2つの目標を達成するべく、講師からの講義の後、参加者がそれぞれ考えた“達成”に近付くために、グループで自分たちにできることを話し合い、それを全体で共有しました。

4.授業を行った学生の声

授業を行った2人の学生に、参加者の反応はどのようなものであったか、そして授業を実施した感想を聞いてみました。

一から授業を組み立て、さらに実践するというのは初めての経験で、準備段階から本番に至るまで様々な失敗や苦労もありましたが、無事に授業を完成させることができて嬉しく思います。参加人数はあまり多くはなかったものの、その分、グループワークやアイディア共有が積極的に行われた印象があり、参加者同士が密に交流することができるワークショップになったのではないかと思います。私自身、「このトークテーマは難しすぎるかも…」「まとまりのある話し合いができるかな」など不安を抱えつつのワークショップだったのですが、いざ蓋を開けてみると、参加者の皆さんが高い意欲と発想力でたくさんの魅力的なアイディアを出してくださって安心しました。この授業を通じて、SDGsへの関心を高め、自分もSDGs達成に貢献できる社会の一員なんだ!という自覚を持っていただけていたら幸いです。(平野沙也加)

「授業はひとつのストーリー!」。Sセメスターに開講された、全学自由研究ゼミナール/高度教養特殊演習「SDGsを学べる授業をつくろう」を受講した際に私が学んだことの一つです。授業準備では、このストーリーをつくるということに最も頭を悩ませました。講師としての自分の頭の中では授業の自然な流れができているつもりでも、参加者の目線で授業を見直すと、飛躍があって分かりづらい。授業内で伝えたい知識や技能だけでなく、それらをいかにストーリーとして構成するか、ということも、授業には必要不可欠なことだと気付きました。ストーリーをつくるなかで、「このワークでは参加者はどんな意見を出すだろう?」と想定する必要がある場面もありました。いくつか想定していたのですが、実際に授業内で参加者同士のグループワークを覗いてみると、私が想定していた答えを遥かに超える質と量の意見がたくさん出ていて、私自身も大変勉強になりました。講師としても学習者としても、貴重な学びの機会を得ることができ、非常に嬉しく思います。(大石菜月)

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教養教育高度化機構 EX部門
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