以下は、全学自由研究ゼミナール「学生がつくる大学の授業」のTAによる感想です。授業の概要の詳細はこちらをご覧ください。
はじめに
「学生がつくる大学の授業―反転授業をデザインしよう!」は、東京大学教養学部所属の学部1・2年生向けに開講されている授業です。この授業は、参加した学生が自ら反転授業を作成・実施することを大きな目的としています。どのように授業が展開していくのかにワクワクしながら、私は TA としてこの授業に参加しました。今回集まった6名の学生は、教員・TAの助けを借りながら、実際に反転授業をデザインし、実施することを目指します。
第1回~第4回 反転授業をつくるための準備
第1回から第4回では、「反転授業とは何か」を学ぶことからスタートし、反転授業をつくる上で必須となる授業デザインの手法やアクティブラーニング手法の基礎知識を修得することが主なテーマでした。第2回では実際に反転授業を経験することにより、より良い反転授業とは何かを考えました。
本授業の大きな特徴は、グループ単位での作業が多く取り入れた双方向型の授業であることです。大学の授業は教員→学生の一方向型の講義がほとんどで、このような形態の授業に戸惑う学生も一定数存在します。しかし、本コースに参加する学生は、このような双方向型の授業に臆することなく自分の意見を忌憚なく発信し、こういった授業に特有の学習体験を楽しんでもらえているように見受けられます。
第4回では、百人一首の理解を目的とした反転授業をつくるワークにチャレンジしました。既存の授業に対する不満や問題点を、授業を受ける側の視点から発信するのは比較的容易であっても、いざ反転授業を作成するとなると、実際に自分で授業をデザインすることに苦戦している学生が多いように見受けられました。授業をデザインする上での目的・目標の設定、構成、時間配分などは、実際に授業をつくる経験をしてみないとなかなか実感しづらい部分です。これから、実際に反転授業を作ることになりますが、その経験を通じて授業作成の面白さと難しさを体験してもらえたら嬉しいです。
授業分析のワークに取り組む学生(左)グループワークに取り組む学生(右)
次回の授業からは、実際に学生が作成する反転授業のコンテンツを2名の先生に提供していただき、これらのコンテンツを使った反転授業を2グループにわかれて作成します。学生は皆個性あふれるメンバーなので、どんな授業ができるのか今から楽しみです。そして、この反転授業の作成を通じて、学生がどのように成長していくのか、TAの立場から見守っていきたいと思います。
(薬学系研究科博士課程 木崎速人)
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