全学自由研究ゼミナール「伝えるを学ぼう」

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授業概要

この授業では、「学生のみなさんが伝える力を向上させる」ことを目的とし、そのために「良い授業づくりの方法について学び、模擬授業を実施する」という方法をとります。
その理由は、「良い授業」には「良い伝え方」につながる考え方や方法が多く含まれているためです。
また、知識だけでなく実践も重要と考えているため、模擬的な授業を実施する機会もとりいれました。

授業の流れ

良い授業の作り方を学ぶ(第1回~第3回)

まずは、良い授業の作り方について、講義やグループワークを通して学びます。
具体的には、話し方、立ち振る舞い方、授業の設計、スライドデザイン、ファシリテーションなどを学びます。
また、ただ受動的に聞くだけはなく能動的に学ぶ、効果的なアクティブラーニング型授業の作り方についても学びます。

大学院生の模擬授業をうけて検討する(第4回~第6回)

大学院生、つまり先輩たちの模擬授業を受けて、その模擬授業の良いところ、改善できるところを検討することによって、より良い授業の作り方を学びます。
また、工学、理学、文学、社会学など理系文系問わず幅広い分野の研究をしている大学院生が模擬授業をするため、進学選択など今後の大学生活の参考にすることもできます。

一人ひとりが模擬授業を作り、実施する(第7回~第12回)

これまでに学んだ良い授業の作り方をふまえて、学生一人ひとりが授業作りに取り組みます。
大学院生の模擬授業を検討しながら、徐々に自分の授業のデザインをかためていき、グループ内で模擬授業をして、相互にフィードバックを行います。
そして、改善された模擬授業を全員の前で実施します。

授業スケジュール

タイトル
1 ガイダンス
2 自己紹介
3 授業デザイン
4 大学院生の模擬授業
5 大学院生の模擬授業
6 大学院生の模擬授業
7 テーマ発表
8 模擬授業の練習
9 模擬授業の検討
10 模擬授業の練習
11 模擬授業
12 模擬授業
13 振り返り

授業の一場面

第13回では授業の振り返りを行いました。
学生は、「授業を通して学んだこと」と「授業自体の改善点」をまず1 人で考えて、3~4 人のグループで考えたことを共有して発展させて、それをホワイトボードにまとめました。
そして、その後、各グループの人が1 人ずつ集まる新たなグループを作って、ポスターツアーを行いました(ポスターツアー参照)。
また、それぞれ一人ひとり授業の感想をガラス黒板に書いてもらいました。

まず、授業を通して学んだこととして、多くの学生が挙げていたのが「フィードバックの重要性」でした。
この授業では、自己紹介、テーマ発表、模擬授業の練習、模擬授業の検討、模擬授業で、相互評価(ピアレビュー)する機会を豊富に設けました。
それらのピアレビューを通して、自分では気づかなかったことを気付き、発表の質が段々と上がっていったことが、そのような学びにつながったと考えられます。

授業自体の改善点では、フィードバックの方法を挙げている学生が多く見られました。
授業が進むと同時に、学生同士が仲良くなり、相互に批判的なフィードバックがしにくくなったようです。
批判的なフィードバックの方がその人のためになるということがわかっていても、批判的かつ相手を傷つけないフィードバックの方法がわからなかったため、有意義なフィードバックができなかったという思いがあったようです。
そのため、今後の授業におけるピアレビューを用いる際は、建設的なフィードバックの方法についてより詳細に言及しようと感じました。

授業の最後の回で振り返りを実施して、学んだことを共有してもらうことで授業内容の復習および定着が促せたと感じています。
また、学生から授業自体のフィードバックを受けることで、より良い授業にするヒントが得られました。

授業全体に対する学生の感想

・少人数に加えて、毎回席が変わるシステムだったので、学年も科類も違う方と親しくなれて良かったです
・良い授業を理論的に分析できて良かった
・自分が話しているところを撮影して客観視したのは初めて( 話している時のクセを知って衝撃を受けた)
・駒場に来て1 番ためになる授業だった( グループワークたくさんできたし、色々な人の意見が聞けて良かった)

(吉田塁)